吉野家の新CM「オレと吉野家」篇・「オレと牛丼」篇で木村拓哉さんがブランドアンバサダーに就任し「本当に吉牛食べるの?」「CM出過ぎで食傷感がある」という声が上がっています。しかし同時に「食べ方が上級者すぎてカッコいい」「行きたくなった」という反応も相次いでおり、違和感の正体を整理しつつ、なぜこの起用が成立しているのかを考察します。

「オレと吉野家」篇の概要——この起用の経緯

篇名 「オレと吉野家」篇・「オレと牛丼」篇(30秒・15秒)
放映開始 2026年3月14日〜全国
役割 吉野家ブランドアンバサダー就任
ブランドメッセージ 「元気を、いただきますっ。」
CM内容 吉野家店舗に入店した木村さんが、紅生姜をのせた牛丼・豚汁・お新香のセットを豪快にかき込む
撮影 実際の吉野家店舗で撮影(合成なし)
話題の焦点 「キムタク持ち」の丼の持ち方・食べっぷり・違和感・CM出過ぎ・中居正広との縁
吉野家×SMAP 中居正広さんが2001〜2003年に出演。23年ぶりの元SMAPメンバー起用

吉野家は「この思いをすべて表現できるのは、表現者として長きにわたり活躍し、今なお挑戦し続けている木村以外にいない」という思いから、ブランドアンバサダーに起用したと公式に説明しています。木村さん自身もCM撮影後に「吉野家は渋谷の店舗が腹減った時の駆け込み寺のような存在だった」と当時の思い出を語っており、縁のない起用ではないことがわかります。

違和感・懐疑的な声——「キムタクは吉牛食べないでしょ」

否定的・批判的な意見

  • 「本当にキムタクが吉牛を食べるのか」という疑念は根強い。セレブ一家として知られる木村さんが、庶民的なチェーン飯を普段から食べているとは信じにくいという感覚的な違和感で、これはCMの演技や内容への批判ではなくブランドと人物のイメージギャップへの反応
  • 木村さんのCM出演本数の多さへの疲弊感がある。HUAWEI・三菱UFJエムット・OWNDAYSなど複数ブランドに並行してアンバサダー起用されており、「また木村か」という食傷感が一定層に蓄積している。吉野家CMへの違和感の一部は「木村さんへの飽き」から来ているという見方ができる
  • 「コピーも設定も昭和だ」という指摘も一定数ある。「元気を、いただきますっ。」というコピーや、車で乗りつけ店舗に入る演出が現代的なCM文法と異なるレトロ感を持つという批判で、吉野家というブランドそのものの昭和的な佇まいとの親和性については評価が分かれる

ウサギさん
「本当に食べるの?」って疑念は、スター性と庶民的な商品のギャップが生む「嘘くさい」という感覚なんだよね。でもこのギャップ自体がCMの話題性になってるのが面白い。
カエルさん
CM出過ぎ問題は確かにあって、複数ブランドへの並行起用が続くと「キムタクのCM」というジャンルに収まってしまい、個別のブランド想起が弱くなるリスクがある。吉野家がその点をどう乗り越えるかが問われる。

肯定的・好意的な意見

  • 食べっぷりへの称賛が圧倒的に多い。豪快にかき込む姿はもちろん、「キムタク持ち」と呼ばれる丼の独特の両手持ちが美しいとSNSで注目を集めた。マクドナルドのハンバーガー持ちに続く「キムタクの食べ方」シリーズとして語られており、木村さんが何かを食べるCMの法則として定着しつつある
  • 「吉牛食べるのがカッコよくなるのなんで」「吉野家CMのキムタクばりかっけー」という声は、CMとして最大の成功指標を示している。スターが手を伸ばすことで普段の商品が価値を纏うという「格上げ効果」が明確に発生しており、食べたくなった・行きたくなったという購買動線への誘引も多数確認できる
  • 50代の木村さんが豪快にがっつく姿への好評も多い。若者向けのスターイメージを保ちながらも年相応の力強さが加わった食べっぷりが「見ていて気持ちいい」という共感を生んでいる

ウサギさん
「吉牛食べるのがカッコよくなる」って感想は、CMとして狙い通りの効果が出ている証拠だよね。商品を格上げするのがスター起用の本質的な目的で、それが成立してる。
カエルさん
「キムタク持ち」が自然発生的に話題になるのって、CMの設計を超えたところでユーザーが勝手に拡散してくれるという理想的な展開で、日清のスルメサイクルに似た効果が働いてる。

違和感の正体と「それでも正解」な起用理由——CM戦略を考察する

このCMの「違和感」は三層構造で成り立っています。第一層はスターと庶民飯のブランドギャップ。第二層はCM出過ぎへの疲弊感。第三層はコピー・演出の昭和感。これらが重なることで「どこか引っかかるCM」になっていますが、これが逆に話題性と記憶への定着につながっています。

重要なのは、木村さんが近年のYouTubeチャンネルで家系ラーメン・ガスト・一蘭などを気取りなく食べる庶民派イメージを積み上げてきていたという下地です。「スターが吉牛を食べる違和感」は数年前なら成立しなかったかもしれませんが、YouTubeでの露出によって「木村さんなら食べそう」という前提ができていた。これが起用の妙です。

中居正広さんが2001〜2003年に吉野家CMに出演し、一心不乱に丼をかきこむ映像が当時のSMAPファンに認知されていました。23年ぶりに元SMAPメンバーが吉野家CMに登場したことで「不思議な縁」と感じる声が上がっています。このSMAPと吉野家の縁という情緒的な文脈が、CMに単なるタレント起用を超えた深みを与えています。

「起用が正解かどうか」の答えは、食べたくなった・行きたくなったという声の多さが示しています。違和感を訴えている視聴者でさえ「食べ方は上級者だった」と認めており、CMとしての最終目的である購買動線への誘引という点では機能しています。

まとめ——違和感はギャップ演出の一部、このCMは成立している

吉野家×木村拓哉CMへの「違和感」は、スター性と庶民的商品のイメージギャップ・CM出演本数への疲弊感・コピーの昭和感という三層から生まれています。しかしその違和感こそが話題を生み、「本当に食べるの?」という問いを立てながら食べっぷりの映像を見てしまい、最終的に食べたくなるという理想的なCMの機能が発動しています。

「キムタクのCM出過ぎ」という批判は、裏を返せばそれだけ木村さんの影響力と市場価値が各企業に認められているということの証左でもあります。ただし複数ブランドへの並行起用が続く中で「どのブランドのキムタク?」という混同が起きるリスクは今後の課題として指摘しておく必要があります。吉野家はSMAPと縁のある歴史的文脈という点で、他の並行起用ブランドにはない「深み」を持つ起用と評価できます。

ウサギさん
「本当に食べるの?」って思いながら食べっぷりを見てしまって、気づいたら食べたくなってる——これが吉野家にとっての理想的なCMの機能だよね。違和感すら利用されてる。
カエルさん
中居さんから23年越しのバトンというSMAP縁の深みは、他のOWNDAYSや三菱UFJにはない吉野家固有の文脈で、このCMが「またキムタクか」以上の感情を引き出せている一番の理由だと思う。
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