原沢製薬工業の点耳薬「パピナリン」のCMが「怖い」「気持ち悪い」と話題になっています。冒頭に登場する耳を痛がる子供のイラストがAI生成と思われ、リアルすぎる質感が生理的な不快感を引き起こしているのが批判の核心です。

パピナリンCMの全容——何が「怖い・気持ち悪い」のか

商品名 パピナリン(第2類医薬品・点耳薬)
製造販売 原沢製薬工業株式会社(東京都港区)
商品の歴史 前身のパピロギンが1949年(昭和24年)発売。70年以上の実績
現行CM放映開始 2024年7月〜(テレビ東京・テレビ朝日・BS各局)
CM内容 耳を痛がる子供のイラスト(AI生成と思われる)が冒頭に登場。商品の効能を訴求
AI使用の公式発表 原沢製薬工業からの公式発表なし
話題の焦点 AI生成イラストの「不気味な質感」への怖さ・気持ち悪さ・生理的拒絶反応

パピナリンCMの「怖い・気持ち悪い」という声が集中しているのは、特に冒頭に登場する耳を痛がる子供のイラストです。実写に近いほどリアルな質感を持ちながら、わずかに「人間ではない何か」のような微妙なズレが感じられるという特徴が、多くの視聴者に生理的な不快感を引き起こしています。原沢製薬工業からはAI生成素材を使用したとの公式発表はなく、確定情報ではありません。ただしXを中心に「AI絵だ」という認識がほぼ一致して広まっており、それだけ視聴者が一目でAI特有の質感を感知しているともいえます。

視聴者の賛否——「気持ち悪い」の正体を分析する

否定的・批判的な意見

  • 「原沢製薬のパピナリンのCMとかAIだなって思う」「中耳炎パピナリンのCM、AI色が強すぎて嫌いだわ。AI推進派といえども」——AI技術の活用を普段は肯定している人でも、このCMの画像には拒絶反応を示している点が特徴的。「AI反対」の話ではなく「このAIの使い方が不快」という批判
  • 「パピナリンの生成AIのCMキモすぎる、吐き気がする。生成AIの人間の画像への拒絶反応がすごいわ」——「吐き気」「拒絶反応」という生理的な強い言葉が使われており、知性的な批判ではなく本能的な不快感として受け取られていることがわかる
  • 「パピナリンのCMのAIイラスト、質感が不気味で怖すぎる」「あからさまにAI絵だもんで なんだかなぁってなる」——「あからさまにAI絵」という指摘が多く、視聴者は一瞬でAI特有の質感を見分けており、その「バレバレ感」自体も嫌悪感の一因になっている
  • 「このCM許可したやつは感性おかしいよ、こんな不気味で不愉快になるイラスト使ってなんにも感じないのか」——制作・承認した側の感覚への疑問。これは「AI反対」ではなく「なぜこのクオリティ・この使い方を選んだのか」という問いかけ
  • 「溢れ出すAI感。何か気持ち悪い」「生成AIの悪いところがはっきりわかるCM」——批判が「このCM」に留まらず、生成AIの課題を体現した事例として語られており、話題の射程が広い


https://twitter.com/aohr_trpg/status/1957220956575093129

ウサギさん
「AI推進派でも嫌い」という声が出てくるのが重要で、これは技術への反感ではなく「医薬品CMにこの使い方は合わない」というミスマッチへの批判なんだよね。

カエルさん
「許可したやつ感性おかしい」って声は、制作費削減でAI素材を採用したであろう判断が「安易さ」として視聴者に透けて見えていることへの不満でもある。

肯定的・中立的な意見

  • 「パピナリンのCMは気持ち悪いけど海外で耳鼻科かかれなかった時はお世話になったよ。温めてハーブ垂らせとかいう民間療法レベルのアドバイスよりは効いたと思う」——CMへの批判と商品への信頼が完全に分離している典型的なコメント。「CMは気持ち悪い、でも薬は効く」という構造
  • Xの反応全体を通じて、商品そのものの評判は安定して高く、「中耳炎に効いた」「子供に使っている」という体験談も多数存在している。パピナリンは1949年発売以来70年以上の実績を持つロングセラーであり、CMの不評が商品評価に直結していない
ウサギさん
「CMは怖いけど薬は効く」って声が多いのは、逆説的にCMが「パピナリン=耳の薬」という認知を作ることに成功している証拠でもあるよね。
カエルさん
70年以上の商品の信頼性があるから「CMが怖くても薬は信頼できる」という評価が成立してるんだよね。ブランドの積み重ねがCMの失敗を補っている構図

「不気味の谷」現象——なぜAI生成の子供イラストは怖いのか

「不気味の谷」とは何か——AI生成画像で発動しやすい理由

「不気味の谷(Uncanny Valley)」とは、ロボット工学者の森政弘氏が1970年に提唱した概念で、人間に似せた存在が「ある閾値」を超えてリアルになると、親しみではなく強い嫌悪感・恐怖感が生まれるという現象です。アニメや漫画のキャラクターは「明らかに人間ではない」ため安心して見られますが、AI生成の人物画像は実写に限りなく近づきながら、微妙な表情・肌の質感・目の光の入り方などに「人間ではない何か」のズレが残ります。このズレが脳に「異常な人間だ」という信号を送り、生理的な不快感として知覚されます。

特にパピナリンCMが問題なのは、耳を痛がるという「苦痛の表情」を持つ子供のイラストである点です。子供の苦痛の表情は人間の保護本能を刺激するため、通常の人物イラスト以上に「本物っぽく見えてしまう」ことへの違和感が増幅されます。視聴者が感じる「怖い・気持ち悪い」は本能的な反応であり、AI技術への批判とは本質的に異なります。

医薬品CMにAI生成画像を使うことのリスク

一般的なCMや広告においても、AI生成の人物画像への違和感を指摘する声は増えています。しかし医薬品CMは特に注意が必要な領域です。医薬品の広告では「信頼感」「安心感」が訴求の核となるため、視聴者に「不気味」「怖い」という印象を与えることは、商品への信頼感の形成と真逆の効果をもたらすリスクがあるからです。

「生成AIの悪いところがはっきりわかるCM」という評が象徴するように、このCMは「コスト削減のためにAI素材を使用した結果、品質上の問題が発生した」事例として語られています。AIを使うこと自体への批判ではなく、「このユースケースへの適用判断」が問われています。制作コストを抑えながらも視聴者の信頼を得るという医薬品広告の難しさを、このCMは図らずも体現しています。

まとめ——「CM怖い、でも薬は効く」という分離した評価が示すもの

パピナリンCMへの「怖い・気持ち悪い」という批判の本質は、AI技術そのものへの反感ではありません。「医薬品の広告に、人間の苦痛表情をリアルに描いたAI生成画像を使用する」というユースケースの選択が、視聴者の感覚とズレていることが問題の核心です。

「不気味の谷」という概念が示すように、リアルに近づいたAI生成の人物画像は脳に本能的な不快感を引き起こします。特に子供の苦痛という保護本能を刺激する題材と組み合わさることで、不快感が増幅されています。「AI推進派でも嫌い」という声はそれを端的に表しています。

一方で商品パピナリン自体は70年以上の実績を持ち、「CMは怖いが薬は効く」という評価の分離が起きています。長年の信頼の積み重ねが、CMの失敗を補完しているという構図は、ブランド資産の重要性を逆説的に示しているともいえます。

ウサギさん
「AI反対」じゃなくて「この使い方が問題」というのが批判の核心だよね。生成AIを広告に使うこと自体は今後も広がるはずで、問題はどのユースケースに使うかという判断力のほうにある。
カエルさん
「CMは怖いが薬は信頼できる」って評価の分離が起きてるのは、70年というブランド資産があるから成立しているんだよね。知名度も実績もない新製品だったら、CMの不快感がそのまま購買忌避につながっていたかもしれない。
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