2025年6月6日から全国で放映が始まったWECARS(ウィーカーズ)のCM。「聖者の行進」の替え歌に乗ってキャラクターが登場し自社紹介をするというユニークな内容ですが、「うざい」「不快」「頭から離れない」という声と同時に、横歩きの演出についての違和感もSNSで広がっています。旧ビッグモーターという背景も相まって、視聴者の反応は単純ではありません。

WECARSの最新CMの内容と基本情報

企業名 株式会社WECARS(ウィーカーズ)/本社:東京都千代田区
商品名 中古車買取・販売サービス「WECARS(ウィーカーズ)」
CM 2025年6月6日放映開始(歌う看板くん篇)、同コンセプトで数カ月おきにアップデート
使用楽曲 「聖者の行進(When the Saints Go Marching In)」の替え歌
放送開始 2025年6月6日(金)より全国放映(デジタル媒体はそれ
以前に先行配信)
制作スタッフ 企画制作:電通+AOI Pro. / CD:北田有一氏(電通・ゼスプリ「キウイブラザーズ」担当)

CMのコンセプトは、WECARSのマスコットキャラクター「看板くん」や自動車、利用者が、アメリカ民謡「聖者の行進(When the Saints Go Marching In)」の替え歌に合わせてリズミカルに動きながら自社サービスを紹介するというもの。「WECARSです!」「買い替えるか!」など、短くシンプルなフレーズを繰り返す構成で、2025年6月の初回放映以降、同じコンセプトを踏襲しながら数カ月おきにCMがアップデートされシリーズとして継続放映されています。

クリエイティブディレクターは、ゼスプリの「キウイブラザーズ」キャンペーンで知られる北田有一さん(電通)が担当。キャラクター型CMの実績ある制作陣が手がけた意欲作です。

なぜ「聖者の行進」が使われるのか

「聖者の行進」はアメリカの黒人霊歌を起源とするディキシーランドジャズの名曲です。著作権が消滅しているため使用料が無料で、アレンジや替え歌も自由。明るくパレード的なメロディでCMに最適なため、タウンワーク、マルトモ、小学館「小学一年生」など複数の企業が同時期に使用しており、2025年はCM界における「聖者の行進」ブームとも言われています。

「うざい」「不快」「嫌い」――視聴者の反応を整理する

否定的意見:「うざい」「不快」「頭から離れない(悪い意味で)」

  • 「ウィーカーズのCMを1回聴いたら10分くらい頭の中で永遠に”ウィーカーズです!です!”が繰り返されてしまう。出くわすと本当にギャーってなる」
  • 「コマーシャルの2回に1回ウィーカーズが流れてる気がする。”です!”が耳障りでテレビを消したくなる」
  • 「ウィーカーズですデス、がウザい。何回も同じの流すのやめてほしい」
  • 「看板が喋るCG映像がなんか怖いというか気持ち悪いというか、不思議な感覚になる。あの横歩きが特に不自然」
  • 「元ビッグモーターのCMがバンバン流れてくるのが嫌。名前を変えても記憶が残ってるから、なんかイライラしてしまう」
  • 「聖者の行進の替え歌自体は悪くないと思うけど、とにかく流れすぎ。大量出稿で無理やり覚えさせようとしてる感じがして不快」
  • 「看板が横に歩くって、車の会社なのに横歩きのイメージで大丈夫なの?前に進まないじゃんってツッコみたくなる」

ウサギさん
「です!」をリズムに乗せて繰り返すの、確かに1回聴くと頭から離れなくなるよね。それが嫌な人にはとにかく「うざい」に直結してる感じ。
カエルさん
横歩きへの「車の会社なのに前に進まないじゃん」ってツッコミも面白いよね。でもキャラクターが自己紹介するという発想自体はユニークだと思うし、キウイブラザーズを手がけた電通の北田さんが担当してるのも納得感ある。

肯定的意見:「クセになる」「耳に残る」「逆に覚えてしまった」

  • 「最初はうざいと思ってたのに、気がついたら「ウィーカーズです!」って自分で口ずさんでた。悔しいけどハマった」
  • 「あのレトロなCGと聖者の行進の組み合わせ、なんか昭和のCMっぽくて逆に新鮮。ゆるキャラ感があってクセになる」
  • 「シンプルに「WECARSです!中古車です!」って伝えたいことだけ言ってる。わかりやすいとは思う」
  • 「タウンワークの替え歌と同じメロディで最初混乱したけど、その混乱自体が話題になってるのが面白い」
  • 「旧ビッグモーターの印象が強すぎるとは思うけど、CMのキャラクター自体はかわいいと思う。看板くん、憎めない」
ウサギさん
「口ずさんでた、悔しい」って人が多いのが面白いよね。不快感と記憶定着が同時に起きてるわけで、CMとしての目的は達成してる気がする。
カエルさん
そうだね。「知ってもらう」という広告の一番基本的な目的に限れば、あれだけ話題になって「ウィーカーズ」という名前が定着してるなら大成功とも言えるよね。

横歩き演出への違和感の正体と、CM全体の意図を考察する

「横歩き」は意図的な設計である可能性

「横移動が不自然」という声は多いですが、車というモビリティの象徴が横に動く演出には、見る人の注意を引き「なぜ?」と思わせる意図的なズレがあると解釈することもできます。車は本来、前後に走るもの。それがCMの中で横方向にスライドする動きを見せることで、日常の乗り物に対するイメージを裏切り、記憶に刻む効果が生まれます。

このCMのクリエイティブディレクターである北田有一さんは、ゼスプリの「キウイブラザーズ」を手がけた方です。キウイブラザーズは果物という非人間的な存在が独自の論理で動き、その「ちょっとおかしいのに愛着が湧く」という感覚が人気の秘訣でした。WECARSの横移動演出も、同じ「期待を外す動きが逆に刺さる」という文脈で設計されているとみることができます。

「企業への不信感」という特殊な背景

WECARSの批判が他のCMと一線を画す点として、旧ビッグモーターへの根強い不信感があります。2024年5月に伊藤忠商事グループが事業承継し新会社として再スタートしていますが、一部の従業員が引き継がれていること、過去の不祥事の記憶などから「名前だけ変わって中身は同じでは」という疑念を持つ消費者は少なくありません。

こうした背景があるため、このCMへの「うざい」「不快」という反応は、純粋にCMの演出への批判と、企業そのものへの不信感の2つが混在していると考えられます。同じ聖者の行進の替え歌を使用しているタウンワークのCMと比べて批判が強い理由の一つは、この企業背景の差にあるといえるでしょう。

WECARSのCM戦略を競合比較で読み解く

中古車業界の大手各社は、それぞれ異なるCM戦略を展開しています。売上高で国内最大手のIDON(ガリバー)は「信頼・実績」を前面に出した手堅いイメージ戦略、ネクステージは急成長の勢いをアピールするアクティブなアプローチ、そしてWECARSが選んだのは「とにかく名前を知ってもらう」という認知特化型の大量出稿戦略です。

  • ガリバー(IDOM):信頼・実績ベース、落ち着いたCM展開
  • ネクステージ:成長感・若年層向け、アクティブなイメージ
  • WECARS:キャラクター+替え歌で名前の認知率を最優先

WECARSは2024年5月の発足という新しいブランドであり、まず「WECARSという名前を知ってもらう」ことが最優先課題でした。WECARS担当者自身も「まずは社名と事業内容を認知していただくことを目的とした」と公式コメントしており、このCM戦略は目的に対して一貫しているといえます。

「嫌われても話題になれば成功」の逆説が機能している

WECARSのCMに対して「うざい」「不快」というネガティブな声が広がっていること自体が、「ウィーカーズ」という名前の定着を助けている側面は否定できません。批判ツイートで何度も「ウィーカーズ」と書かれ、検索されることでブランドの認知度は着実に積み上がっています。

さらに、YouTubeに公開された「買い替えるか」篇は、チャンネル登録者数650人という規模に対して2600万回超の再生数を記録したとの指摘もあります。再生メカニズムへの疑問の声もある一方で、数字として巨大な露出が発生していることは事実です。

まとめ:批判がブランドを彫刻する時代のCM

WECARSのCMは、「うざい」「不快」「横歩きが違和感ある」という批判と、「クセになる」「耳に残る」という評価が真っ二つに割れた状態にあります。

ただし客観的に整理すると、CMとしての最大の使命である「ブランド名の認知」という点では明確な成果を出しているといえます。「ウィーカーズ」という名前を知らない人は今や少なく、批判の声もポジティブな口コミも、すべて「WECARS」という文字列をインターネット上に広め、検索行動を促しています。

横歩きの演出もまた、「なぜ横に歩くのか」という疑問を生み、それが考察・話題化を促すという意味で機能しています。旧ビッグモーターへの根強い不信感という逆風の中で、あえてキャラクター+替え歌という振り切った手法でブランドを刷新しようとする意志はCMの設計から読み取ることができます。

「うざい」と感じながらも名前を覚えてしまっているとしたら——それはもう、このCMの目的がひとつ達成されたということかもしれません。批判されながらも記憶に深く刻まれるCMは、無風のまま忘れられるCMよりも確実に強い。WECARSの最新CMシリーズはその典型を体現しています。

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