今や「若手女優の登竜門」として絶対的な地位を確立しているポカリスエットのCM。
1986年から始まったイメージガール制度は、数々のスターを世に送り出し、日本のCM史に燦然と輝く金字塔を築き上げてきました。
2025年現在、従来の単独女性出演者から複数人での出演スタイルへと大きく変化し、さらに2025年からは初の男子高校生主演という革新的な試みで話題を集めています。
今回は、そんなポカリスエットの歴代CM出演者を時系列で詳しく紹介していきます。
目次
- 歴代出演者一覧
- 歴代出演者詳細紹介
- 初代:森高千里さん(1986年~1988年)
- 2代目:宮沢りえさん(1988年~1990年)
- 3代目:一色紗英さん(1992年~1994年)
- 4代目:中山エミリさん(1995年~1996年)
- 5代目:後藤理沙さん(1998年~1999年)
- 6代目:鈴木杏さん(2000年~2001年)
- 7代目:綾瀬はるかさん(2005年~2006年)
- 8代目:川口春奈さん(2009年~)
- 9代目:中条あやみさん(2015年4月~2016年4月)
- 10代目:八木莉可子さん(2016年4月~2019年4月)
- 11代目:茅島みずきさん(2019年4月~2020年4月)
- 12代目:汐谷友希さん(2020年4月~2023年)
- 13代目:椿さん・池端杏慈さん(2023年~)
- 14代目:原口武蔵さん・勇太さん(2025年4月~)
- ポカリスエットCMの戦略分析
- 時代とともに進化する革新的CMシリーズ
歴代出演者一覧
代目 | 出演者名 | 出演時期 |
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初代 | 森高千里さん | 1986年~1988年 |
2代目 | 宮沢りえさん | 1988年~1990年 |
3代目 | 一色紗英さん | 1992年~1994年 |
4代目 | 中山エミリさん | 1995年~1996年 |
5代目 | 後藤理沙さん | 1998年~1999年 |
6代目 | 鈴木杏さん | 2000年~2001年 |
7代目 | 綾瀬はるかさん | 2005年~2006年 |
8代目 | 川口春奈さん | 2009年~ |
9代目 | 中条あやみさん | 2015年4月~2016年4月 |
10代目 | 八木莉可子さん | 2016年4月~2019年4月 |
11代目 | 茅島みずきさん | 2019年4月~2020年4月 |
12代目 | 汐谷友希さん | 2020年4月~2023年 |
13代目 | 椿さん・池端杏慈さん | 2023年~ |
14代目 | 原口武蔵さん・勇太さん | 2025年4月~ |
特に注目すべきは、2023年からCM史上初のWヒロイン体制を導入し、椿さんと池端杏慈さんが共演したことです。
そして2025年からは、初の男子高校生主演として現役高校生ダンサーの原口武蔵さんと勇太さんが出演し、これまでの常識を覆す画期的な展開を見せています。
従来の単独女性出演者から複数人での出演スタイルへの変化は、多様性とインクルーシブな価値観を重視する現代社会の流れを反映した、大塚製薬の先見性を物語っています。
歴代出演者詳細紹介
初代:森高千里さん(1986年~1988年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1969年4月11日 |
出演時期 | 1986年~1988年 |
職業 | 歌手 |
代表作 | 「17才」 「道」 「気分爽快」 |
第1回ポカリスエット・イメージガール・コンテストで12000人を超える応募者の中から選ばれた、記念すべき初代イメージガール。
森高千里さんの起用により、ポカリスエットのCMは単なる商品宣伝から「青春のアイコン」へと昇華し、その後の方向性を決定づけました。
当時のCMでは若き日の糸井重里さんとの共演も話題となり、青春性と洗練されたクリエイティブの融合という、現在まで続くポカリCMの基本コンセプトが確立されました。
2代目:宮沢りえさん(1988年~1990年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1973年4月6日 |
出演時期 | 1988年~1990年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「たそがれ清兵衛」 「紙の月」 「湯を沸かすほどの熱い愛」 |
14歳での起用という史上最年少記録を打ち立てた宮沢りえさん。
その後の輝かしいキャリアを考えると、ポカリスエットの先見性と才能発掘力の高さを物語る象徴的な起用でした。
昭和末期の時代背景の中で放映されたCMは、純粋無垢な美しさを前面に打ち出し、多くの視聴者の心を捉えました。
3代目:一色紗英さん(1992年~1994年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1977年4月29日 |
出演時期 | 1992年~1994年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「学校へ行こう!」 「お水の花道」 |
1991年の「学校へ行こう!」でのデビュー直後という絶妙なタイミングでの起用が光った一色紗英さん。
90年代前半のトレンディドラマ全盛期において、ポカリスエットが時代の先端を行くキャスティングを行っていたことを証明する事例です。
この時期からドラマとの連動性を意識したマーケティング戦略が本格化し、後の成功パターンの原型が形成されました。
4代目:中山エミリさん(1995年~1996年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1978年10月8日 |
出演時期 | 1995年~1996年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「おれはO型・牡羊座」 「ナースのお仕事」 |
90年代後半のブレイク前夜という最高のタイミングで起用された中山エミリさん。
「ダチョウ」篇での印象的な演技は、ポカリスエットCMの新たな表現領域を開拓しました。
この時期のCMは、従来の清純路線に加えてユーモアとセンスを取り入れた多様性のある表現を確立し、後のクリエイティブ展開の礎となりました。
5代目:後藤理沙さん(1998年~1999年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1983年6月18日 |
出演時期 | 1998年~1999年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「リング0 バースデイ」 「アフタースクール」 |
「砂漠で水浴び」篇で一躍ブレイクした後藤理沙さんは、ポカリスエットCMの象徴的存在となりました。
当時の広末涼子さんや小雪さんと並ぶ広告塔的な地位を確立し、90年代後半の若手女優ブームを牽引しました。
このCMの成功により、ポカリスエット起用=スター女優への登竜門という方程式が業界内外で確固たる地位を築きました。
6代目:鈴木杏さん(2000年~2001年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1987年4月27日 |
出演時期 | 2000年~2001年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「青い鳥」 「花とアリス」 「蛇にピアス」 |
子役時代から既に名前が知られていた鈴木杏さんの起用は、実力派への転換点を示しました。
ドラマ「青い鳥」での演技力が高く評価されていた中での起用は、ポカリスエットが単なる美貌だけでなく演技力も重視する方針転換を物語っています。
2000年代初頭という節目の時期に、次世代を担う実力派女優を発掘した大塚製薬の慧眼が光る起用でした。
7代目:綾瀬はるかさん(2005年~2006年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1985年3月24日 |
出演時期 | 2005年~2006年 |
職業 | 女優 |
代表作 | 「世界の中心で、愛をさけぶ」 「JIN-仁-」 「八重の桜」 |
現在のトップ女優の地位を確立する直前での起用となった綾瀬はるかさん。
「世界の中心で、愛をさけぶ」での大ブレイク後というタイミングでの起用は、ポカリスエットのタイミング感の絶妙さを改めて証明しました。
その後の輝かしいキャリアを考えると、将来性を見抜く目利きの確かさが際立つ歴史的キャスティングと言えるでしょう。
8代目:川口春奈さん(2009年~)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1995年2月10日 |
出演時期 | 2009年~ |
職業 | 女優・モデル |
代表作 | 「好きっていいなよ。」 「九条の大罪」 「着飾る恋には理由があって」 |
「ニコラ」のモデルとして活動中の14歳での抜擢は、モデル業界からの人材発掘という新たな流れを作りました。
「運命の夏」のCMソング(Hi-Fi CAMPの「だから一歩前へ踏み出して」)も大ヒットし、音楽とのコラボレーションという新境地を開拓しました。
この成功により、モデル出身女優の台頭という2010年代のトレンドの先駆けとなりました。
9代目:中条あやみさん(2015年4月~2016年4月)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 1997年2月4日 |
出演時期 | 2015年4月~2016年4月 |
職業 | モデル・女優 |
代表作 | 「チア☆ダン」 「3年A組」 「恋は続くよどこまでも」 |
「セブンティーン」専属モデルとしての知名度を活かした起用で、ファッション業界との連携強化を図りました。
ハーフタレントとしての独特な美しさは、グローバル化する日本社会の多様性を象徴する起用として話題となりました。
この時期からSNSでの話題性も重視されるようになり、マーケティング戦略の多角化が進みました。
10代目:八木莉可子さん(2016年4月~2019年4月)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 2001年7月7日 |
出演時期 | 2016年4月~2019年4月 |
職業 | モデル |
代表作 | 「チア☆ダン」 「青夏 きみに恋した30日」 |
「水原希子さんの妹分」としてデビューした翌年からの起用は、業界ネットワークを活用した戦略的キャスティングでした。
「高校生ダンス」シリーズでのリーダー的存在として、集団パフォーマンスという新たなCMスタイルを確立しました。
この時期から個人のスター性から集団のエネルギーへとCMコンセプトが大きく転換し、現在まで続く方向性の基盤が築かれました。
11代目:茅島みずきさん(2019年4月~2020年4月)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 2004年7月6日 |
出演時期 | 2019年4月~2020年4月 |
職業 | モデル |
特技 | ゴルフ(ベストスコア70) |
14歳という若さながらプロレベルのゴルフの腕前を持つという異色の経歴が話題となりました。
萩原護さんやMiriさんといった別のメイン出演者との共演体制が本格的に導入され、多角的な魅力を打ち出しました。
「ゴルフ少女」としての特技を活かしたキャスティングは、多様な才能の発掘という新たな方向性を示しました。
12代目:汐谷友希さん(2020年4月~2023年)
項目 | 詳細 |
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生年月日 | 2004年9月14日 |
出演時期 | 2020年4月~2023年 |
職業 | モデル |
代表作 | 「湖池屋プライドポテト」CM |
2020年春に高校入学というフレッシュなタイミングでの起用となった汐谷友希さん。
前年の東京ガールズコレクション出演や湖池屋のCM出演など、段階的なキャリア形成を経ての大抜擢でした。
この時期、集団ダンスから美少女のピン出演と集団合唱という2つの路線への変更が行われ、多様なニーズに対応する戦略が採用されました。
13代目:椿さん・池端杏慈さん(2023年~)
項目 | 詳細 |
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出演時期 | 2023年~ |
特徴 | CM史上初のWヒロイン体制 |
職業 | モデル・女優 |
革新性 | 複数人キャスト体制の本格導入 |
CM史上初のWヒロイン体制という画期的な試みで大きな話題を集めました。
椿さんと池端杏慈さんの異なる個性の融合により、従来の単一キャラクター訴求から多角的な魅力発信への転換が図られました。
この革新的なキャスティングは、多様性と個性の共存という現代社会のトレンドを先取りした戦略として高く評価されています。
14代目:原口武蔵さん・勇太さん(2025年4月~)
項目 | 詳細 |
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出演時期 | 2025年4月~ |
特徴 | 初の男子高校生主演 |
職業 | 現役高校生ダンサー |
革新性 | 性別の垣根を超えたキャスティング |
ポカリスエット史上最大の革新となる初の男子高校生主演という大胆な試み。
現役高校生ダンサーとしての原口武蔵さんと勇太さんの起用は、ジェンダーレス時代の価値観を反映した歴史的転換点となりました。
この革命的なキャスティングにより、従来の美少女路線から脱却した新時代のブランディングが幕を開け、多くの業界関係者から注目を集めています。
ポカリスエットCMの戦略分析
話題性創出の巧妙な戦略
ポカリスエットの話題性創出戦略は、3つの核心要素から成り立っています。
まず、オーディション制度の確立により、毎回数千人から数万人の応募者が集まる一大イベント化を実現しました。
次に、絶妙なタイミング戦略により、ブレイク直前や上昇気流に乗った瞬間の人材を的確に捉える目利き力を発揮してきました。
そして近年の多様化戦略では、Wヒロインから男子高校生主演まで、常識を覆す革新的な取り組みで業界をリードしています。
世界観構築の卓越性
一方で、一貫した世界観の構築も、ポカリスエットCMの最大の強みでもあります。
「青春性」「清涼感」「未来性」という3つの核心価値は39年間一貫して保持されながら、時代に合わせて表現方法を進化させてきました。
森高千里さんの時代の純粋な青春讃歌から、現在の多様性を包含した青春像まで、核心は変えずに表現を革新し続ける姿勢が、圧倒的なブランド力の源泉となっています。
マーケティング効果の最大化
ポカリスエットのCM戦略が生み出すマーケティング効果の最大化は、他ブランドの追随を許さない圧倒的な成果を上げています。
「登竜門効果」により、起用された人材のその後の活躍がブランド価値を押し上げる好循環を創出しています。
綾瀬はるかさんや川口春奈さんなど、トップスター級への成長がポカリスエットのブランド威信を高め、次の起用への注目度をさらに押し上げる循環構造を確立しました。
また、話題性の持続力も特筆すべき点で、CM発表から数ヶ月間にわたってメディア露出が継続し、費用対効果の極めて高いマーケティングを実現しています。
→ ポカリ歴代CMソング完全ガイド|1981年〜2025年の名曲を振り返る
時代とともに進化する革新的CMシリーズ
ポカリスエットのCMシリーズは、39年間という長期にわたって日本のCM史に燦然と輝く金字塔を築き上げてきました。
初代森高千里さんから現在の原口武蔵さん・勇太さんまで、一貫して「青春のアイコン」としての地位を保ちながら、時代の変化に柔軟に対応してきた戦略性は、まさにマーケティングの教科書と呼べる完成度です。
特に注目すべきは、単独女性出演者からWヒロイン、そして男子高校生主演への転換という革命的な変化です。
この進化は単なる話題作りではなく、多様性とインクルージョンを重視する現代社会の価値観を先取りした、大塚製薬の深い洞察力と先見性の表れと言えるでしょう。
また、「登竜門効果」による継続的なブランド価値向上は、起用された人材の成功がそのままポカリスエットの威信となる、極めて巧妙な循環構造を生み出しています。
綾瀬はるかさんや川口春奈さんなどトップスターへと成長した出演者たちの活躍が、次世代キャスティングへの注目度をさらに押し上げるという、他ブランドには真似のできない独自の強みとなっています。
世界的に見ても、これほど長期間にわたって一貫性を保ちながら革新性も追求し続けるCMシリーズは類例がありません。
ポカリスエットCMは、日本のCM文化そのものに深い影響を与え続けており、マーケティング戦略の最高峰として今後も多くの企業が参考にする成功モデルであり続けるでしょう。
2025年の男子高校生主演という大胆な挑戦は、次なる10年、20年への布石であり、ポカリスエットの革新的DNAが今後も健在であることを力強く示しています。